検索上位でも読まれない時代へ
日経クロストレンドの「3回検索して2回はゼロクリック、AI要約普及で加速」(2026年9月29日)について提供された材料によると、2026年9月、検索結果画面上で閲覧を終え、外部サイトへ移動しない「ゼロクリック率」が約68%に達したと調査会社が発表しています。
同じ材料では、生成AIの日常利用率が過半数の約50%に達し、tenki.jp、All About、MRSO等でも、検索順位が上位であるにもかかわらず、アクセス数や売上が減少する影響が出ているとされています。調査会社名、調査対象・地域、日常利用率の定義、各サイトの具体的な状況は【要確認】です。
この情報から薬局が考えたいのは、検索順位とホームページへの訪問が、同じものではなくなっている可能性です。検索結果やAIの要約で疑問が解消されるなら、上位に表示されても、記事を開くところまで進まない人がいると考えられます。ただし、この調査の割合をそのまま地域薬局に当てはめたり、自局のアクセス減少の原因だと決めつけたりすることはできません。
ホームページの費用と相談数を分けて考える
AI薬局ナビには、先月、地域薬局から「高額な費用をかけてホームページを作ったが、アクセスや相談が増えない」という相談が複数寄せられています。公開時点に合わせた相談の対象月は【要確認】です。ホームページに費用をかけたことと、生活者に相談先として選ばれることの間には、何を伝えるかという課題が残ります。
薬局経営者として見直したいのは、見た目や制作費だけでなく、「何について相談できるのか」が読んだ人に伝わるかです。現場で受けた疑問と、ホームページに載せている説明を照らし合わせます。伝えたい情報ではなく、相談する前に知りたい情報があるかを確認することが出発点です。
アクセスが増えないときも、すぐにサイト全体を作り直す判断をするのではなく、掲載内容を確認します。質問への答えが分かりにくいのか、薬局への相談につながる説明が足りないのか、それとも原因を判断する情報が不足しているのかを切り分けます。分からない部分は、推測で埋めず、確認すべき項目として残します。
成果の見方も整理したいところです。アクセス数は記事を開いた動きを表しますが、相談が増えたかどうかは別に確かめる必要があります。AIの回答に引用されたことも、それだけで相談や来局を示すものではありません。閲覧、情報の伝わり方、相談の変化を分けて見ると、次に手を入れる場所を考えやすくなります。
短いメモを人とAIに伝わる記事へ
AI薬局ナビでは、LINEで送られた短いメモから、ChatGPTやGoogle AI概要などのAI検索に引用されやすい形を目指し、構造化データ(JSON-LD)を含む記事を自動作成しています。薬局が日々の現場で得た情報を、記事として整理する取り組みです。
この仕組みを薬局側から見ると、大切なのは長い原稿を最初から書くことよりも、記事の材料となる気づきを残すことです。どのような疑問があり、何を説明したのかを短いメモにします。個人を特定できる情報は含めず、相談内容の要点だけを整理します。記事の材料にできる事実と、まだ確認していない内容を分けておくことも重要です。
記事にするときは、結論を先に置き、見出しごとに説明を分けます。読んだ人が知りたい答えを見つけられ、薬局に相談する意味が分かる内容を目指します。AI向けの情報を整えるために、人にとって読みにくい文章にする必要はありません。本文と構造化データの内容が食い違っていないかも確認します。
JSON-LDは、記事の情報を機械に伝えるための形式です。付けたことだけでAIからの引用が約束されるわけではありません。引用されやすい形に整理することと、実際に引用されることを分けて考えます。また、自動作成された記事も、公開前に内容の正確さや自局の対応と合っているかを確認する運用にします。
まとめ:今日からできること
ホームページへの投資を生かすには、検索の変化を踏まえながら、薬局の現場にある情報を届け続ける視点が必要です。大きな作り直しを決める前に、次のことから始めます。
- 相談できる内容が伝わるかを確認します。 現在のホームページを読み、生活者の疑問に答えられていない箇所を整理します。
- 現場の短いメモを記事の材料にします。 個人情報を入れず、確認できた事実を残し、本文とJSON-LDを公開前に見直します。
- アクセスと相談を分けて振り返ります。 AIでの引用も含め、確認できた変化と、まだ判断できない点を区別します。
情報を増やすこと自体を目的にせず、相談する人に何が伝わるかを基準に更新を続けます。
